◎太極拳の歴史と種類
太極拳は、清の乾隆帝時代(18世紀)に王宗岳(武術家・著作家)が『太極拳論』を著すまで、「長拳」「綿拳」「十三勢」「軟手」など様々な名称で呼ばれていました。
その起源については、代表的なところで「明の末期に河南省温県陳家溝(ちんかこう)の陳氏が編み出した拳法が太極拳の始まりである」という説がありますが、一説には唐の時代まで遡るともいわれています。
太極拳に関する資料文献は、その大多数が時代の奔流の中に失われてしまいました。しかし、この無形文化は、怒涛の時代を生き抜いた武術家たちによって、連綿と現代まで受け継がれてきたのです。
文字によって太極拳を識ることもさながら、体得すること、そして次の世代へ確実に伝えていくことが、太極拳の歴史の糸を紡ぎ続けることになるのです。
無数の人、場所、時代を経て繋がる歴史の一端に、ぜひいちど触れてみてください。
「套路(とうろ)」…太極拳の動作の順番。流れ。
陳式太極拳は、太極拳の源流であり、その中でも老架(ろうか)と新架(しんか)の二種類がある。いずれも螺旋の動きや発勁(はっけい)動作、跳躍動作などがあり、運動量は他に比べ大きい。
「老架」…河南省温県陳家溝(ちんかこう)の陳王廷(?−1719)が創始者。5つの套路(別名十三勢)と、長拳108式と炮捶の各一套路を作った。
現在広く伝承されているのは「一路」と「二路」の名で呼ばれる套路。一路は「柔らかさの中の剛さ」を、二路は反対に「剛さの中の柔らかさ」を基盤として構成されている。
「新架」…陳氏第十四代伝承者、陳長興(1771-1853)によって編成された。陳長興は、血族以外の徒弟も受け入れた。楊式太極拳の創始者となる楊露禅(楊福魁)も弟子のひとり。老架と同じく、「一路」と「二路」がある。
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